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佐々木 稔 序、講演の趣旨 教会の五ケ年計画の最終年の活動として、また教会設立二 十五周年に関する活動のひとつとしてＴ旧修参会が五月三日・四目とフレンドシップ・ハイツで行れましたが、その時の私の講演をごく簡単にまとめてみたいと恩います。 講演の趣旨は私たちの南浦和教会が立っている改革派信仰が日本のキリスト教の歴史的全休に釦いてどのような存在理由や特色をもっているかをハ″キリきせることにあわます。即ち、改革派信仰はそれまでの日本のキリスト教信仰の弱さを克服するキリスト教信仰として出現したことを明白にすることにあります。 一、改革派信仰の二大特色 改革派信仰がそれまで日本にあったキリスト教信仰と違うところは二つです。ひとつは有神的人生観および世界観に立つことです。 即ち、「創立宣言」の第一点としてよく知られていることです。私たちの改革派信仰は人生の全領域に訃いて神の栄光を表わすこと（第１コリント一〇・三一）、般恩恵を主張すること、文化命令を実践すること（創世記一・二六〜二八）、神中心の文化を積極的に形成していくことなどを教え、語ります。一言で言えば文化の信仰的意味づけ・基礎づけがしっかわしています。 そしてこの文化のキリスト教信仰による意味づけは実はそれまでの目本のキリスト教が非常に弱かったところです。 改革派信仰のもうひとつの特色は教会一致の原則がハッキリしていることです。即ち「創立宣言」の第二点として知られていることです。私たち改革派信仰は教会の真の一致は信仰告白と教会政治と善き生活についての一致であることを主張します。教理と政治と善き生活に訃いて一致すべきであることを表明しています。聖書の教えを最も体系的に表わしているウェストミンスター信仰規準と最も聖書的教会政治形態である長老主義政治と律法主義と律法廃棄の誤りを退りぞけて聖霊による漸進的聖化の善き生活に訃いて一致していくのが教会の真の一致としてハッキリさせました。 日本のそれまでの教会の歴史を見ますと諸教派・諸教会がひとつになったりあるいは分裂したりしていますが、それは教会】致の原理、原則、根拠、条件が不明確であったからです。改革派はこの弱さを克服するために教会一致の土台、礎、根拠をハッキリさせて教派として出発したのです。 二、改革派四十四年間の歩み 改革派信仰はそれまでの日本のキリスト叙位仰の弱さを克服する意図で出現しまして、その後四十四年間地道な努力を続けてきました。例えば、第一の特色である有神的人生観・世界観確立のために、人生の全領域において神の栄光を表わすことを絶えず講壇から説教して信何者のこの世の歩みを意昧づけていること、政教分離と信仰の自由の確立の祈りと努力、有神的人生観・世界観の研究団体である日本カルヴィニスト協会（ＪＣＡ）の設置、聖恵投産所の支援、キリスト教経済懇談会（ＣＥＣ）の設置など、挙げられます。双恵学園の営みも一般恩恵に基づく事業でした。「教会と国家に関する信仰の宣言」も有神的人生観・世界観確立のための祈りの実現でした。 また、改革派信仰の第二の特色である教理と政治と善き生活によってひとつの見ゆる制度的教会を樹立していくための努力としてはウェストミンスター信仰基準の日常的活用、諸宣言作成（二十周年、四十周年）、小会・中会・大会のやり方で長老主義を既に四十四年間実践してきた実績、公開礼拝中心の信徒の生活の努力、主にある家庭建設の努力、日本の冠婚葬祭とのかかおりのあり方などが挙けられます。 三、改革派五十周年を目さして 改革派は六年後にいよいよ五十周年になります。即ち半世紀紀になるわけです。そして、改革派信仰が本質を失うことなく日本社会に定着して宣教と教会形成に前進できるかどうかの重要時期を迎えることになると思われます。いよいよこれからが大事々時期になると思われます。 改革派はこれからも有神的人生観・世界観樹立のため、信徒のこの世の歩みの積極的意味づけ、政教分離入信仰の自由の確立などに励み、ひとつの見ゆる教会形成のために、われらの言葉での予定論表明、日本伝道への｝層の献身、み言葉を語る教職養成の三つの課題に真剣に取り組んでいるところです。 結 論 改革派信仰は以上のようにそれまでの目本のキリスト教信仰の弱点を克服する真のキリスト教信仰として出現しました。それ故に改革派の使命は「・・・高く険しい目標・・・」また「この重い使命」二十周年宣言）であります。しかし私たちは弱い無力な罪人である私たち自身を見て絶望するのではなくて、日本の歴史の中に事実として改革派信仰 （教会）を興して下さった全知全能の神のあわれみを信頼して祈りと力を合わせて希望をもって歩むことが大事と思うのです。神の栄光は改革派信仰を通して最大限・最高限に表わされることを固く確信して歩みたいと思います。 私たち南浦和教会も改革派信仰に立つ教会として更に神の栄光を表わしつつ歩んでいきたいと思います。 （日本キリスト改革派南浦和教会機関紙「聖徒の交わり」ＮＯ．１８の巻頭言として掲載）
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