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「夫と妻」 マタイによる福音書５章２７節−３２節 はじめに 暑さ真っ盛りですが、涼しい中で、礼拝できることを感謝したいと思います。わたしたちは、週の初めの日に、礼拝を通して神と会見し、神から祝福と力を受け、大切な１週間の歩みに踏み出しましょう。また、教会の今年の年間標語聖句は、ヨハネによる福音書４章２３節、「まことの礼拝をする者たちが、霊と真理をもって父を礼拝する時が来る。今がその時である。なぜなら、父はこのように礼拝する者を求めておられるからだ。」という御言葉ですが、この御言葉により、わたしたちは、旧約時代より霊的にはるかに豊かな新約時代の礼拝にあずかり、みんなでお祈りし、聖霊の力により希望をもって、一緒に伝道していきたいと思います。 それで、礼拝においては、マタイによる福音書からお話をしています。では、本日のお話はどのようなお話でしょう。すると、イエスさまの山上の説教と言われる説教の一部で、結婚の幸せについて、夫と妻の豊かな結びつきについて、教えているところです。夫と妻の結びつきは、わたしたちが思っている以上に豊かで深くて素晴らしいものであり、生涯を通して、お互いにその結びつきを育てて、完成させていくべきものです。それゆえ、夫と妻の豊かな結びつきを、壊すことをしてはなりません。そして、夫と妻の豊かな結びつきを壊す最も大きなものは、姦淫で、妻がいるのに他の女性に心を向けることです。また、夫いるのに、他の男性に心を向けることです。しかし、わたしたちは、これをせず、夫と妻の結びつきを豊かにすることを目指すのです。 実は、本目の説教題は、「夫と妻」となっていますが、どのような題をつけようかと思っていろいろ考えたのです。聖書を見ますと、見出しとして、「姦淫してはならない」とあります。それで、この題でもよかったのですが、びっくりする方々もおられるかもしれないと思いました。そこで、もっとわかりやすく、「浮気をしてはいけない」としようかとか、「不倫をしてはいけない」とつけようかなとも思いましたが、根本趣旨は、夫と妻の豊かな結びつきを壊すことをしないようにということですので、「夫と妻」という題にしました。 そういうわけで、本日は、みんなで、夫と妻の結びつきについて、聖書とキリストがどのように教えてくださったのかを、一緒に学びたいと思います。 １．神は、「姦淫するな」という戒めを与えてくださいました まず、神は、わたしたち人間の幸せな結婚のため、「姦淫するな」という律法、おきて、戒めを、イスラエルの民に与えていてくださっていたことから見ましょう。創造主なる神は、わたしたち人間の幸せのため、夫と妻の結びつきによる結婚の制度を造ってくださいました。そして、夫と妻の豊かな結びつきが壊されないように、「姦淫するな」という戒めをイスラエルに与えていてくださいました。そこで、１世紀のイスラエルの人々は、安息日の会堂礼拝において、宗教の指導者の律法学者やファリサイ派といわれる人々を通して、「姦淫するな」という戒めについての説教を繰り返し聞いていました。すなわち、当時の宗教の指導者たちは、「姦淫するな」という神の戒めは、文字通りに、実際に姦淫することを禁止している、それゆえ、実際に姦淫しなければ、この戒めを守っていることになり、救われて神の国に入ることができると教えていました。 「姦淫するな」という戒めそのものは、先ほども読んでいただきましたように、旧約聖書の出エジプト記２０章１４節に記されている十戒の第７番目の戒めです。十戒は、映画にもなりましたが、エジプトで奴隷にされていたイスラエルの民が、神が立てたモーセという人によってエジプトを脱出し、約束の地カナン、すなわち、パレスチナの地に旅をしていく途中で、わたしたち人間の生き方を１０個の戒めのかたちで与えた尊い規範です。それに従って、人生を歩めば、必ず、神から祝福を与えられ、幸せになることができるものです。そして、その第７番目の戒めが、「姦淫するな」という戒めでした。この戒めには 今日のわたしたちも従うべきものです。 それで、聖書において、姦淫というのは、結婚している夫と妻に関して言われるものです。そして、特に、聖書の時代は、家父長制時代で、夫中心の社会でしたので、聖書も、夫に対して語りかける立場で書かれています。ですから、 「姦淫するな」という戒めも、妻のいる夫に対して語りかける仕方で命じられています。 そこで、妻のいる夫は、自分の妻との夫婦のきずなを豊かにすることを考えるべきで、自分と妻との夫婦のきずなを壊すことを考えるべきではありません。妻は、神から与えられた最高のよきものとして受け止め、生涯を通して、夫婦のきずなを豊かにし、育て、完成を目指して共に暮らしていくことが、結婚の制度を造ってくださった創造主たる神の御心でした。それゆえ、夫と妻のきずなを壊すことをしてはなりませんでした。夫と妻の豊かなきずなを壊す一番大きなものは、姦淫です。すなわち、夫と妻との間にのみ赦されている心と体の交流を、他人の妻との間で行うことです。これは、自分の家庭もめちゃくちやに壊すし、相手の家庭もめちゃくちゃに壊し、神から罪として裁かれます。今日でもそうです。わたしたもの社会においても、姦淫、すなわち今日の言葉に直せば、浮気、不倫によって家庭は壊れます。 そこで、人間の幸せのため、神が造ってくださった結婚関係、夫と妻の豊かなきずなを壊さないため、神は、人間が守るべき十戒の第７番目に「姦淫するな」という戒めをわざわざ入れて、姦淫を禁止し、その戒めを人々が守るように命じました。 そして、実際に、１世紀のイスラエルにおいても、宗教の指導者たちが、安息日の礼拝において、町や村の会堂で、「姦淫するな」、すなわち、夫は、自分の妻がいるのに、他人の妻と姦淫をするなと教えていました。そして、その教え方は、「姦淫するな」という戒めは、文字通りの外側の行動、行為として姦淫をしなければそれでよいと教えていました。 ところが、キリストは、その教え方は、不十分であると教えてくださいました。「姦淫するな」という神の戒めは、確かに、文字通り、外側の行動としての姦淫を禁止しているけれども、それだけにとどまらず、妻のいる夫が心の中で、他人の妻を「みだらな思い」、すなわち、情欲をもって見るなら、もうすでに心の中で、姦淫を犯したのであり、「姦淫するな」という神の戒めに背いたと教えました。この教えを聞いたとき、イスラエルの人々は、えーツ、「姦淫するな」という神の戒めは、心の中のみだらな思いやみだらな感情まで禁止しているのかと思って、びっくりしたでしょう。 考えてみれば、キリストの言われるとおりです。夫たる者が、自分の妻以外の女性に対して、心の中で情欲を燃やすこところから姦淫は始まるのです。それゆえ、夫は、自分が心の中で、妻以外の女性に心が動き始まったときには、セルフコントロールをしっかりしなければなりません。そして、このことは、妻たる者にも、もちろん、当てあまります。 今日の社会は、小説でも、テレビでも、映画でも、変なものがいっぱいあります。妻以外の女性に心を寄せること、あるいは、夫以外の男性に心を寄せることを、さも、よいことのように、美しく、あこがれるように描いたりしていますけれども、あんなこと実際にしたら、大変です。２つの家庭がめちゃくちゃに壊れ、子供を巻き込んで、どれほど人生が傷つくか計り知れないでしょう。 ２．「姦淫するな」は、心の中のみだらな思いや感情までも禁止しています そこで、キリストは、「姦淫するな」という神の戒めは、姦淫の発端となる心の中のみだらな思いや感情まで禁止していることを、わかりやすくするため、とても強い言い方で教えました。すなわち、結婚して妻がいる夫が、「みだらな思い」、すなわち、自分の心において、情欲を抱いて、他人の妻を見るなら、もうその時点で、心の中で姦淫をしたのであり、「姦淫するな」という神の戒に背いて罪を犯したのであるとわかりやすく教えてくださいました。 「みだらな思いで他人の妻を見る」というのは、情欲を抱いて他の人の妻を見る、もっとわかりやすく言えば、自分の心の中でいやらしいことを連想して他人の妻を見ることを意味します。もちろん、他人の妻を見ること自体、あるいは、さらにもっと広げて、妻以外の他の女性を見ること自体が罪であるなど と言っているわけではありません。そんなおかしなことをキリストは言いません。妻以外の女性を見ることなしに生きていくことなど不可能でしょう。 これは、心の問題です。妻以外の女性を見て、この女性と関係を持ちたいという情欲の心を起こさないようにという意味です。そんなことすると、恐ろしい姦淫、すなわち、浮気や不倫につながり、自分の家族と相手の家族をめちゃくちゃに破壊しますし、神から審判されますよという意味です。 今日の日本においては、夫にとって、性の誘惑はいくらでもあります。パソコンのＥメールをする人ならすぐわかると思いますが、変なメールが毎日たくさん入ってきます。わたしのところもそうでした。女性を紹介します。援助交際を求めています。わたしは人妻です。あなたの連絡を待っていますなどというメールが、じゃんじゃん入ってきます。そこであるとき、そのような不愉快メールを自動的にシャットアウトする設定にしました。わたしは、もちろん、全部無視しますが、人によっては、毎日見ているうちに、興味心を起こして、クリックするかもしれません。そして、実際に会いに出かけたりするかもしれません。あるいは、そこまでしなくても、何回か連絡をしたことを人々にばらすぞ、嫌ならお金を振り込めというようなことになるかもしれないと思いました。そういう社会です。ですから、大切なのは、自己防衛することです。周囲にそういう誘惑するものがいっぱいあっても、白分か誘惑されないことです。 そこで、キリストは教えました。もし、夫が、他の人の妻を右の目で見て、情欲の心を起こしたなら、そのとき、その右の目を抜き出して、それで終わりにする方が、情欲に負け、他人の妻と関係を持ち、姦淫して、最後の審判で、神から裁かれて捨てられることになるよりも、ダメージが少ないという言い方で警告しました。 キリストは、どうして、「右の目」と言ったのかと思うかもしれません。これは、イスラエルにおいて、また広くオリエントにおいて、夫たちが、弓矢で狩りをするときに、右目で狙いをつけたところからきています。そこで、ある意味で、右目の方が左目より大事と考えられました。それゆえ、大事な右目が、他の人の妻を見て、情欲の心を起こすなら、そのとき、その大事な右目を抜き捨てた方が、情欲に負け、他人の妻と関係を持ち、姦淫し、その結果、姦淫を行った体全体が最後の審判のとき、神から裁かれて、捨てられることよりよいと警告しました。 「あなたをつまずかせるなら」とありますが、「つまずかせる」という言葉も、とても強い意味の言葉です。もともとは、スキャンダリゾーという言葉で、今日のスキャンダルの語源です。今日スキャンダルという言葉をよく使います。悪い噂のこと、恥ずかしい噂のことですが、もともとは罠をしかけるという意味です。猟師が、獣や鳥を捕まえるため、地上に、穴を掘って、その上に枝や草をかぶせ、さらにその上にえさを置いて罠を仕掛けることを意味します。すると、えさのにおいに誘われて、獣や鳥が枝や草の上に乗ると、その下の穴に落ちてしまいます。そこに漁師がやってきて獣や鳥を仕留めます。罠に落ちた獣や鳥は逃げることができません。そこから、罠をしかけることを意味し、罠にかかって倒れるという意味で、人を罪に誘ってつまずかせて、大切な人生を倒すものをあらわすようになりました。 また、「地獄」という言い方も強い言い方です。この言い方は、前回のお話にもすでに出てきました。 ５章２２節で「火の地獄に投げ込まれる。」と言われていたのと同じです。「地獄に投げ込まれる。」というのは、最後の審判で神に裁かれ、永遠に苦しみを受けることを意味しています。 そして、また、「体の一部」と「全身」が比較対照されていますが、「体の一部」は、もちろん、体の一部である右の目のことを表しています。そして、 「全身」というのは体全体を表します。すなわち、右目で見て欲情を起こした体の一部である右目だけを、今抜き捨てた方が、体全体で姦淫を行って、体全体が、最後の審判で神に裁かれて捨てられるより、ダメージが少ないという意味です。 キリストは、難しいことを言おうとしているのではありません。いたって単純なことを言おうとしているのです。右目が姦淫に誘うなら右目を抜き出しなさいということによって、わたしたちを性の誘惑に誘うものを捨てるように、また、近づかないように教えているのです。性の誘惑に誘うものは、目本の社会に今日たくさんあります。 口にするのも恥ずかしいようなものがいっぱいあります。そういうところに、信者は、わざわざ近づかなくてよいのです。 自分の生活から捨てるのです。 さらに、キリストは、右の手が姦淫に誘うなら、右手を切り取って捨てなさいと言っています。これも、とても強い言い方です。もちろん、実際に、右手を切り取りなさいという意味ではありません。これも、たとえです。もし、夫の大事な利き腕である右の手が、他人の妻の体を触って、情欲を起こし、姦淫に誘うものとなるなら、その右の手を切り取って捨てなさい。その方が、最後の審判で、姦淫を行った体全体が神に裁かれて捨てられるより、ましてあるという言い方で、姦淫に誘うものを捨てるように、また、近づかないように教えているのです。 「もし、右の手があなたをつまずかせるなら」とありまして、どうして、右手なのと思うかもしれません。これも、利き腕を表します。今日で乱わたしたち多くの人々にとり、利き腕は右手ですが、聖書の時代のイスラエルにおいてもそうでした。夫たちの大部分は、右手が利き腕でした。それゆえ、ある意味で、右手の方が左手より大事とされました。そこで、もし、ある意味で左手よりも大事な夫の右手が、情欲をもって、他人の妻の体に触れて、姦淫のきっけになろうとしているのであれば、そのとき、そこで気づいて、姦淫のきっかけになろうとしていたその大事な右の手だけを切って捨てた方が、そのまま姦淫をして、後に、最後の審判で、姦淫しだ体全体が神から裁かれて捨てられるよりましだという意味です。 「体の一部」と「全身」が、ここでも比較対照されています。体の一部とは、右手のことであり、全身とは、体全体のことです。すなわち、姦淫のきっかけとなろうとしていた体の一部である右手だけを失う方が、姦淫をした体全体が神から裁かれて捨てられるよりもダメージが少ないという意味です。これも難しいことを言おうとしているわけではありません。とても単純なことを言おうとしています。すなわち、自分を姦淫に誘うものは捨てなさいという意味です。 わたしたち信者も、罪人であり、弱さがありますので、注意しなければなりません。わたしたちは、罪人である自分の弱さを知り、神に祈り、聖霊の力と恵みにより、セルフコントロールをしっかりして、姦淫の原因となる自分の心の中に生じるみだらな思いをきちんと克服し、健全なよい人生を歩んでいきましょう。 ３．妻との離縁を考えるのでなく、結びつきを豊かにすることを考えましょう 以上のようにして、キリストは、夫と妻の豊かな結びつきを壊すものを捨てるように教えました。では、当時のイスラエルにおいて行われていた離縁は、どのように考えるべきなのでしょう。すると、１世紀のイスラエルにおいて、神の御心と正反対のことが、宗教の指導者の律法学者やファリサイ派によって教えられていました。すなわち、確かに、イスラエルにおいて、旧約時代から、離縁は、ある条件の下で認められていました。それは、妻が、ほかの男性と姦淫をしたときです。このときは、夫は、妻を離縁することができました。そして、その場合でも、離縁の理由を記した離縁状を正式な文書として書いて妻に渡すことが必要でした。 では、どうして、そのような手続きが必要だったかというと、それはすべて、男中心、夫中心の家父長制の社会において、何の権限もない弱い立場の妻、女性を守るためでした。家父長制の社会においては、夫にだけ権限があり、妻には何の権限もありません。妻は夫の所有物のように考えられ、夫は、妻を離縁できましたが、妻は夫を離縁できませんでした。このように、聖書の時代は、オリエント全体、すなわち、世界全体が家父長制の社会であり、妻や女性の人格や立場が十分尊重されないまだ未成熟な社会でした。 イスラエルもその中にありました。しかし、神の民イスラエルおいては、立場の弱い妻を守るための特別な仕掛けがなされました。それが、離縁状の制度です。すなわち、強い立場の夫が、自分勝手な思いで妻を離縁できないように離縁する場合には、正当な理由を記した正式な、オフィシャルな離縁状を渡すこと、そして、離縁の正当な理由もひとつだけで、それは、妻がほかの家の夫と不貞行為をしたとき、すなわち、姦淫をしたときです。今日の言葉でいえば、妻が夫以外の男性と浮気をしたとき、不倫をしたときだけです。この場合だけ、夫は、その理由を書いて離縁状を渡して、妻を離縁できます。それ以外は離縁できません。 家父長制時代の夫の立場はとても強いものでした。妻を離縁しようと思えばいくらでもできました。そういう言い方が許されれば、妻が年を取ってきて容貌が衰えてくると、妻を離縁して若い女性を妻として迎えるとこともできました。妻が口答えをするという理由で、妻を離縁することができました。家風に合わないということで、妻を離縁することができました。日本でも、男尊女卑の封建時代においてそれに似たことはいくらでもあったでしょう。妻は、夫の横暴に泣かされてきたでしょう。 そこで、イスラエルでは、夫が自分勝手な理由をつけて、立場の弱い妻を離縁することがないようにとの神の配慮により、離縁状の制度が作られました。３１節に、「『妻を離縁する者は、離縁状を渡せ』と命じられている。」とありますが、この言葉は、先ほど読んでいただいた旧約聖書の申命記２４章１節から４節に基づく言葉です。もともとの意味は、もし、妻が、他の男性と恥ずべきこと、すなわち、姦淫をして、夫が妻を気にいらなくなったときは、その理由を書いて、離縁状を渡して、離縁してよいという意味です。 そして、その趣旨は、夫は自分勝手な理由をつけて、妻を離縁することはできません。離縁できる理由はただひとつだけ、妻が他の男性と姦淫したときだけですよという趣旨です。それはどういうことを意味していたかっていうと、妻を離縁することを考えるなという意味です。妻を離縁することを考えるのではなく、妻との結びつきを豊かにし、妻との愛情を育て、完成することを考えなさいという意味です。あなたの妻は、神から与えられた妻ですよ。神から与えられた妻との生活を大切にして豊かにすることを考えなさいという意味です。神から与えられた妻を、自分勝手な理由をつけて、軽んじて離縁してどうするのですか。神がそんなこと許すと思いますか。神の御心は、神が与えてくださった妻と仲良く暮らし、仲良く生きてゆくことですよという意味です。 創 造主なる神によって造られた結婚の制度、夫と妻の結びつきというのは、本当に素晴らしいもののです。本当に素晴らしいということを知ることが大切です。そして、豊かに育てていくことが大事なのです。聖書によってこういうことを教えられながら、夫と妻が生きていくということは、本当に幸せなことと思います。 さて、ところが、１世紀のイスラエルにおいては、何と、本来の意味とは正反対のことが教えられていました。すなわち、夫たる者は、離縁状を書いて渡せば、妻を離縁してよいとそちらの間違った方向に持っていってしまいました。これは本来の意味とは正反対です。人間は罪人であり、自分に都合のいいように解釈するものです。離縁伏を１本書いて妻に渡せば、夫は自由に妻を離縁できると教えていました。そして、実際に、イスラエル社会でそのように行われていたのでしょう。そして、泣いている女性たちがいたのでしょう。 そこで、キリストは、本来の意味を回復して教えました。夫が妻を離縁できるのは、「不法な結婚」、すなわち、妻が不貞を働いたときだけである、それ以外の理由をつけて、妻を離縁することは、神の御心に反するとして堂々と、当時の宗教の指導者の間違いを正しました。「不法な結婚でもないのに」とありますが、「不法な結婚でもないのに」というのは、「不品行以外の理由で」という意味です。すなわち、妻が、夫以外の男性と不品行をした、不道徳をしたということ以外の理由では、離縁できませんという意味です。 ところが、１世紀のイスラエルにおいて、妻が夫以外の男性と不品行、すなわち、姦淫したのでないのに、夫が自分勝手な理由をつけて、歌離縁状を渡して、妻を離縁していました。しかし、この離縁を、神は認めません。それゆえ、神の目からは、その妻は、依然として夫との結婚関係にあります。それゆえ、その妻が、他の男性と再婚するのであれば、それは夫がいるのに、夫以外の男性と関係したことになり、神の前に姦淫になります。また、その妻をめとった男性も、神の前に姦淫したことになります。 キリストは難しいことを言おうとしているのではありません。夫と妻の結びつきはとても深いことを教えようとしておられるのです。本当にそうです。人間関係はいろいろありますが、夫と妻の関係ほど深いものはありません。親子の関係もあります。兄弟姉妹の関係もあります。仕事における人間関係もあります。教師と生徒の人間関係もあります。その他、趣味やスポーツやサークルなどの人間関係もあります。多種多様な人間関係がありますが、夫と妻の関係ほど深いものはありません。そこには新しい生命が生まれてくるほどの深い関係です。 しかも、夫と妻の結びつきは、聖書においては、神とイスラエルの関係、キリストと教会の関係、キリストと信者の関係にたとえられるほど深くて豊かなものです。神とイスラエルの関係は、夫と妻の信頼と愛で成り立つ関係にたとえられ、イスラエルが真の神を忘れて、他の神々を拝むときは、霊的姦淫と言われました。 また、今日、キリストと教会の関係、キリストとわたしたち信者の関係は、花婿と花嫁の関係、すなわち夫と妻の関係にたとえられます。花嫁が、花婿を信頼し、愛するように、わたしたち信者は、キリストを信頼し、愛します。こうして、神と神を信ずる者たちとの関係、キリストとキリストを信じる者とたちの関係は、夫と妻の関係にたとえられるほど、夫と妻の結びつきは豊かで深くて、きよくて、素晴らしいものです。 それゆえ、信仰と夫婦関係は密接なつながりがあります。信仰が豊かになればなるほど、夫と妻の関係も豊かになります。夫と妻の関係が豊かになればなるほど、信仰も豊かになります。正比例の関係になります。ですから、１世紀のイスラエルの夫たちは、妻を離縁してもよいということを考えるべきではなく、神が自分に与えてくれた最高によいものである妻との結びつきを豊かなものにするように、結びつきを妻と共に育てて、完成を目指していくことを考えるべきでした。キリストは、根本を教えてくださいました。 本当にそうです。今日も同じです。 自分の妻は神が自分に与えてくれた最高によい妻、自分の夫は神が自分に与えてくれた最高によい夫として受け止め、結びつきを豊かにし、夫婦の愛情を共に育て、完成を目指していきましょう。神が与えてくださったあなたの妻は、あなたが毎日一緒に暮らしているあなたの目の前にいる妻なのです。神が与えてくださったあなたの夫は、あなたが毎日一緒に暮らしているあなたの目の前にいる夫なのです。 結び 以上のようにして本日のところを見ます。キリストは本当に素晴らしいことを教えてくださいました。わたしたちは、キリストの教えに従順に従って、神から祝福の満ち溢れる健全で健康的なよい人生を歩みましょう。性の誘惑がいっぱいある社会ですが、わたしたちは、神にお祈りし、聖霊の力と恵み与えられて、自己防衛をしながら、セルフコントロールをしっかりして歩んでいきま お祈り 恵み深い天の父なる神さま、 本日の午後には、わたしたもの教派の６０周年の歩みのビデオを鑑賞しますが、わたしたもの教派が、７０周年を目指して、大の真の生き方を伝える教派として歩むことができるようにしてください。 また、広い意味の伝道として、わたしたちの教会において、「親子サークルズ すまいる」の準備もなされておりますが、祝福をお与えください。特に、直接奉仕される方々の上にお導きをお与えください。また、教会全体で、お祈りして、サポートすることができますようにお導きください。
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