召される前日の金曜日６日は元気にしていました。夕６時頃、おいしいねと言いながら、わたしと夕食を共にし、その後、自分の部屋に行き、ベッドに横になって楽な姿勢で、テレビを見ていましたが、次の朝には召されていました。お医者さんの見立てでは、夜中の３時頃、突然、脳内出血、具体的には、くも膜下出血が起こり、瞬間的に意識を失い、召されたのであろうとの見立てでした。苦しんだ様子はなく、とても平案で安らかな顔をしていました。

　家内の魂は、今、神のみもとに召され、そこで、神の全き愛と平安と喜びの中に置かれています。

　家内との出会いは、わたしが１９歳、家内が１８歳で、教会で出会いました。家内は、性格が明るく明朗快活な女性で、夫のわたしの口から言うのも変ですが、とても素敵な女性でした。

　わたしは、家内を一目見たとき、この女性がわたしと一緒に人生を歩む女性であるというような思いを持ちました。後で、家内に聞いてみましたら、家内もわたしと同じように思ったとのことでした。

　交際が始まり、結婚し、わたしたちは、牧師夫婦としての人生を歩み始めました。子供も長女と長男が与えられ、喜び、感謝しました。

　おな今年の９月１２日で、結婚５０周年になり、金婚式を迎えました。子供たちが、金婚式のお祝いをしてくれると言っていたのですが、コロナの影響もあり、密になってはいけませんので、コロナが落ち着いたら行おうと話し合い、延期することにしました。しかし、お祝いのプレゼントをもらいました。家内は、コーヒーが好きなので、コーヒー・メーカーをもらい、わたしは少年時代からの夢であった天体望遠鏡をもらいました。家内のコーヒー・メーカーは、プロが使うほどの高級なもので、家内は、毎朝、そのコーヒー・メーカーでおいしいコーヒーを楽しみに飲んで一日を元気に始めていました。

　子供たちも集まる金婚式のお祝いは、コロナのために延期しましたが、わたしと家内は二人で、あるとき、きれいな瀬戸内海が見えるホテルのレストランで食事をし、５０年間、信仰と健康と生活が守られてきたのは、神さまの大きな恵みねと言って、二人で５０年間を喜び、感謝し、楽しい時間を持ちました。５０年間、家内と共に歩めて、わたしは本当に幸せでした。

　困難が起こると、家内はしっかり向き合い、困難を克服し、乗り越えていく賜物が与えられており、わたしは、どれほど助けられ、支えられ、励まされ、人生を豊かにされたか、測り知れません。家内と結婚して共に歩ませてくださった神さまに心から感謝しています。これから家内のいない生活が始まりますが、家内と同じく、信仰の生涯を歩み、いつか神のみもとで家内と再会できることを堅く確信しています。

娘一家が５分ほどのろころに住んでいて、食事をはじめ何くれとなく世話をしてくれるので、ありがたいです。遺品の整理などは、まだで、これから少しづつしていきます。

わたしを慰める聖書の御言葉はたくさんありますが、特に、黙示録１４章１３節の「また、わたしは天からこう告げる声を聞いた。「書き記せ。『今から後、主に結ばれて死ぬ人は幸いである』と。」“霊”も言う。「然り。彼らは労苦を解かれて、安らぎを得る。その行いが報われるからである」です。また、ウェストミンスター大教理問答８５問の答、「義人は、終わりの日に死そのものから解放されるし、死にあっても、死のとげとのろいから解放されている。それゆえ、彼らは死にはするが、それは神の愛から出るのであって、罪と悲惨から彼らを全く自由にするため、また栄光におけるさらに深いキリストの交わりを可能にするためであり、彼らは死に際して、それに入るのである」にも慰められています。

わたしの人生で一番うれしかったのは、家内と結婚した日でしたが、わたしの人生で一番悲しかったのは、家内のお葬式の日でした。しかし、天国での家内との再会を確信し、自分にはまだ人生が主から与えられているので、神の言葉の説教と神学書の執筆を使命として果たしていきたいと決意しています。

　　　　　　（次回「岡山便り」は、１月５日予定）　　　　　　　